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niconegoto's journal

会社設立からの1年、学生起業の幾多の困難と感謝とこれから

先日株式会社Flattは登記から1周年を迎えました。

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僕が未熟ゆえにとにかく多くの人に支えられて、助けられてここまでこれたので、これまで支えてくれた仲間達や株主さん方、その他多くの関係者の方に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

まあきれい事を言っていても面白くないのでぶっちゃけてしまうと、今回はじめて経営というものを経験してみたわけですが、前職のメルカリを見てイメージしていたような状態には正直まったく到達できませんでした。改めてメルカリすごいなあと。

ひとえに僕の実力不足です。

ただ、この年齢でこれだけの失敗をできたのは正直かなりアドバンテージだと思っています。25くらいまでにはしっかりとした結果をお見せするのでお楽しみに。

今回は節目ということでこれまで直面した辛いことや感謝したいことなどを、ちゃんと今後の自分の糧にするためにも文字に起こそうと思います。

はじめに

まず、僕のことをよく知らない方のために簡単に自己紹介をすると、僕は株式会社Flattを2017/5/3に立ち上げ、PinQulというEコマースのサービスを運営している21歳の学生です。 なぜ会社をやることになったのかの動機に関しては以前記事に書いたのでぜひこちらを読んでみてください。

niconegoto.hatenadiary.jp

1年の沿革

沿革については1周年パーティーで使用したスライドから引用しつつ、時系列に沿って説明していきたいと思います。

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Flattという名前は新宿のスタバで30分ほどで決定されました。そのうち伸びたサービスの名前に変えるだろうし、「Google検索で有力な競争相手がいない」「海外の人もすぐに覚えられる」「短い」「読み方がカジュアル」という点だけを重視しました。

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β版は僕とiOSエンジニアの2名で実装しました。負債はたくさんできましたが2ヶ月ほどでリリースまでこぎつけられました。

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β版から1ヶ月程度で正式ローンチしました。この間に決済やライブ回りのバグをひたすら潰し続ける日々。最初決済のバグを発見したときは心臓がとまるかと思いました。決済怖い。

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リリース前から仕込んでいたPBが初月からバシバシ売れました。30分で100万超えの売り上げが出たりして、ライブを見ながら歓喜したのを覚えています。

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僕が個人的に大好きなTOKYO BASEさんと一緒に企画なども行いました。大手のアパレルの社長さん達にまったく刺さらない中、すぐにチャンスをくださった谷さんには感謝の気持ちでいっぱいです。このあたりまでに3回ほどミニピボットしており、このあたりでは様々なブランドさんなどとコラボして放送などを行っていました。

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半年くらいかかってしまったのですが、なんとかAndroidをリリースまでこぎつけました。

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尊敬する先輩などから約3000万円を調達しました。エンジェルのみの株主構成にして良かったところ、大変だったところありますが、本当に尊敬する方々にフィードバックをいただきながらの毎日で本当に今の株主さん達で良かったなと思っています。

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WEB版をリリースしました。いろいろあり、アプリを一旦止めてこちらに注力していく予定です。

困難と反省と感謝と

事業

事業に関して人を基軸とする購買意思決定行動を科学するというのを軸にこの1年やってきました。

開発面など、良かったなという面もたくさんあるのですが、そんなもの書いてもこれを読むみなさんの為にはあまりならないので省いて基本反省点だけ書いています。

軸はぶらさずに3回程度の小さなピボットを繰り返して現在の形に至っているのですが、僕の長期目標は海外の売り上げが8割以上あり日本のTOP10くらいにはいるような企業を作ることだったため、自分のやっている事業のアッパーが月売り上げ100億とかだなと年始くらいに気付き、自分はこの事業をキャッシュカウとして割り切って続けるべきか、いっそのこと別の事業をやるかに非常に悩みました。

以下にいくつか反省点を挙げていきます。

やらないことを決める難しさ

経営とは「やらないことを決めること」なのですが実際やってみると想像以上に良さそうな話がたくさん出てきて非常に悩むことになりました。 良さそうな選択肢がたくさんあり、さらに未知の領域であるため正解が全く分からない場合、結局判断基準となるのは社長の目指す世界感や大切にしたいことなので自分をどれだけ信じて意思決定を迅速にできるのかに注力すべきでした。中途半端に手をだしたところで実行力が落ちますし、とりあえず全部試してみるとかはせずガッツリ絞るしかありません。

アライアンスなどは大抵上手くいかない

ネームバリューのある会社さん達からアライアンスなどの話がくるのは良くある話です。 僕たちの場合も多くの会社さんから様々なお話をいただきました。 ただ、基本的に他社とのアライアンスは全くワークしない場合がほとんどです。

相手方に強い権限をもった意思決定者がいて直接話すすめてそのプロジェクトに全てのリソースを割く、くらいのテンションのものでないと基本うまくいかないなと感じました。

「握る」ことの大切さ

上記のアライアンスの話にも関わるのですが、全て誰かと話すときは「握る」と言う感覚を大事にしないといけないなと感じました。 社長の一番の仕事は周囲を巻き込んでいくことにあるわけですが、巻き込む際に相手にどこまでやってもらうのかについて明確に話して相手にそれを「やる」と言わせないとうやむやになって結局巻き込んだもののワークしないという事態が発生します。

自分の頭の中にあることを全員に共有する難しさ

経営者の大切な仕事の1つに「ゴールはどこなのか、どういう状況(数値)になれば達成されるのか、その状況(数値)にするための手段は何なのか、検証した結果は何か」を全員に共有する、というものがあります。大学に行っているメンバーが多くコミットに波があることからこの共有を行うことに非常に苦しみました。 この共有のための時間の使い方や手段にはもっと思考リソースを割くべきだったなというのが反省点です。

社員の視座をあげる難しさ

社長は基本的に株主や投資家の方とお話する機会が多いので当然視座はあがっていきます。 ただ、社員全員にそれを共有するのは至難の業です。 視座が合っていないと事業に対する議論もかみ合わないし、コミュニケーションコストが大変大きくなります。

創業メンバーにはせめて自分と同じかそれ以上の視座を持って欲しいとおもっているため、月末定例の度に株主や僕の尊敬するかたがたをお招きして社員からバシバシ質問などをしてもらうような仕組みにしていますが、まだまだ課題は多いなと思っています。良い方法あったら教えてください…!

創業メンバー

創業メンバー選びがとても大変かつ大切であるのは良く言われている話ですが、実際やってみるまでその重みを実感することはありませんでした。 現在のメンバー全員に触れることができなくて申し訳ないのですが、創業時にいた数名についてすこし語らせてください。

綾部と豊田と町田

綾部

現在COOとして僕を最も支えてくれている綾部は中高からの同級生です。 中高時代、綾部は常に学年トップで画に描いたような優等生、かたや僕は授業中にゲームをやり反省文を書かされるし成績も最下層、まったく逆の立場だった訳なのですが僕は彼のストイックな姿勢などに非常に尊敬しており受験の1年をほぼずっと共に過ごしました。もっとも尊敬する人間です。

お互いお互いの悪いところバシバシ言い合える関係値であったため、僕のダメなところなどを指摘してもらえるという点ではとても良い人選だったと思っています。

半ば無理矢理巻きこんでしまい、まったくITサービスに関する知識もなかったことから、僕や豊田からボコボコにされ続けていた訳なのですが、持ち前のストイックさでどんどん食いついてきており、最初こそだいぶ心配でしたが最近では周囲の信用を得ています。とはいえまだまだなので今後の一層の成長に期待しています。

僕の苦手な作業をすべて巻き取ってもらっていて本当に感謝しかありません。補完し会える関係性はやはり良いですね。

中途半端な友人を巻き込むとすぐ崩壊しますが、しっかり深い部分まで言える関係であれば成り立つのではないかと思っています。実際友人を採用して降格させる人事などを行ったりもしましたが、自分の判断は会社を最大限考えての判断になるのでそこは理解して欲しいと最初に伝えておけば齟齬がなくなると思います。

豊田

豊田とはTwitterで出会いました。最初は勝手にCCOを名乗りだして心配されていましたが、豊田に関しては目標設定からそこに対する努力に関してもすべて自走できるので何も言う必要がありませんでした。そのうち相当有名なデザイナーになるでしょう。

1を話して100理解してくれる人間というのを体現したような男なので、指摘も的確でとてもコミュニケーションが楽です。これが地頭がいいってことなんだな…と。 コーポレートサイトも全部1人で実装しておりGKEへのデプロイも勝手にしてくれます。 そしてサービスやユーザーへの愛が最強に強いです。言うことがないですね。

今後も会社をクリエイティブの面から支えていってくれるでしょう。

リリース直後はデザインやUI面を褒められることが多くてエンジニア一同で悔しがっていたのは秘密です笑 本当にいつもありがとう。

町田

町田は正確に言うと6月からだったのですが、実は最初に共同創業者として町田を誘っていたという裏話があります。 その時はスライド作って熱弁したものの断られてしまったのですが、すぐに合流することになり今ではエンジニア組織を支えてくれています。

高校からの知り合いではありますが、人生のいろんな岐路においていつも関わってきている不思議な縁があります。 これまでもいろんな場面で救われてきたし、会社のムードメーカーとして存在感がすごい町田ですが、今後はより一層エンジニアリング力を伸ばしていったりサービス側に関わったりする可能性があるなとも思っていたりと、どんどん成長していきそうです。

正直僕はいろんな人の相談に乗ったりとかそういうタイプではないので、苦手なところを巻き取ってもらって感謝しています。これも補完関係ですね。

それになにより僕のビジョンに一番共感してくれていると感じます。いつもありがとう。

CTOとの別れ

順調に見えた創業メンバー集めですが、早速Hard Thingsが待ち構えていました。 端的にいうと創業1ヶ月で僕以外では最も株のシェアを握っていたCTOが辞めることになりました。 今考えるとこのタイミングで良かったなと思っていますが、当時はメンバー全員で2日間泣きながら議論したことを覚えています。

その後も彼は会社のプレスなどをシェアしてくれていますし、一緒に定期的にご飯にいくなどしています。今でも尊敬する人間の一人であることは変わりありません。(すごい心配されることが多いので念のため) また一緒に仕事できる時がくることいいなあ。

将来の目線に対する解離が大きな要因ではあったと思っていますが、創業メンバーに関してはめちゃくちゃ腹を割って事前に目線を合わせる、定期的に目線を合わせる機会を作るなどはとても大切だなと痛感しました。

株主について

公開されている限りでも (ご存じないかたのために簡単な経歴を載せていますが適当なのはお許しください)

  • 佐藤裕介さん(元フリークアウト 代表取締役, hey CEO)
  • 中川綾太郎さん(MERYを作った方)
  • 古川健介さん(nanapiを作った方)
  • 溝口勇児さん(FiNC CEO)
  • 青柳直樹さん(元GREE CFO, メルペイCEO)
  • 三木寛文さん(GREE 創業期メンバー)
  • 堀井翔太さん(フリルを作った方)

という錚々たる方々に応援していただきながらやっています。 時に優しく、時に厳しく成長を見守ってくださり、様々な人を紹介してくださり本当に素敵な人に恵まれたなと痛感しています。

現代の信用が大切にされる時代において「井手康貴」という人間にこれほどの方々が投資してくださった重みを感じつつも、尊敬する株主の方々に恩返しするためにも絶対に事業をのばしていきたいです。

最後に

こんな感じで殴り書きしていったわけですが、これらの反省点をすべて来年は改善して一層成長していくので今後とも応援のほどよろしくお願いします。

そして、株式会社Flattは長らく僕の実家でコスト0生活をしていましたが、今回ついに本郷に移転する運びとなりました。 大学に行かずに突然事業をやると言い出した僕にオフィス空間まで貸し出してくれた親には本当に感謝してもしきれません。

ただ、ご覧のように家具など必要なものが何も揃っておりません…

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恒例ではありますが、ウィッシュリストを載せさせていただきます。

お届け時間を19時以降に指定していただけますと幸いです

ぜひご支援いただけますと幸いです…! よろしくお願いします。